今回はペキンパー監督の「キラー・エリート」です。ニンジャ映画の元祖とされる作品ですが、内容はちょっとアレです。
 主人公はうでききのスパイだったのですが、友人の裏切りで脚を撃たれ障害者になってしまいます。その後、なぜかカンフーを習ったりしてだんだん回復します。そこに上司が来てまた仕事をしてくれといいます。東洋某国の要人チャンを暗殺者たちから守り、無事に船まで届けろ、というのです。暗殺者たちは日本のニンジャ軍団(!?)で、主人公を裏切った元友人もその仲間に加わっているらしいです。それを聞いた主人公は仲間を集めて仕事に乗り出します。ニンジャ軍団をマシンガンでなぎ倒し、憎い元上司や裏切り者の元友人もやっつけて、ちょっと悲しそうな顔をして終わりです。

 出てくる東洋人たちの意味不明な言動がいちいちついていけません。主人公も「ついていけん」とか言ってますが、東洋人の我々にも意味がわからないんだからしょうがない。
 チャンの娘は護衛されている立場のくせに、クノイチのような格好をして外に出ます。チャンも「娘は闇を使う」とか意味がわからないことを言います。で、やっぱり捕まります。外に出る用事は別になかったので、わざと危ない目にあいたかったとしか思えません。馬鹿です。
 ニンジャ軍団はマシンガンを乱射するサイコに向かって刀を振りかざしてまっすぐ突進します。で、あっさり撃ち倒されます。馬鹿です。
 チャンはいきなり刀を抜いてニンジャ軍団首領と試合をはじめます。だからお前は船に乗って国に帰らないといけないんだろうが!!主人公たちもあきれて「どっちが勝つと思う?」なんて言ってぼんやり見ています。馬鹿です。
 いわゆる東洋の神秘ってやつですかね。
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 ニンジャIII修羅ノ章はすでに紹介しましたが、今回は別のシーンを紹介します。
 ニンジャに取りつかれたクリスティを救うため、少林寺(としか言いようがない建物)でヤマダ(ショー・コスギ)は戦います。その結果、やっとニンジャはクリスティから離れたのですが、今度ははじめのゴルフ場を襲った男の死体にのりうつって大暴れ。手から怪光線を出して坊主どもを操り、ヤマダを襲わせます。
 このときのショー・コスギの台詞がカタコト過ぎておかしいです。「オイ!ヤメロヤメロ!ナニカノマチガイダ!!」ショー・コスギ日系人じゃなくて日本人だったはずですが…。倒された坊主の「おーヤマダサーン」という台詞もいいです。

 この映画にはほかにも変な日本語がいっぱい出てきます。が、残念ながらこれらのシーンのビデオは見つかりませんでしたので、せめて声だけでもどうぞ。
 とまれー。このかたなあげるから、とまれー。(聞き取り不能)くれー。たすけてくれー。おねがい、おねがい。とってくれー。かたなあげるから。とってくれー。すわれー。かたなあげるからすわれー。とってくれー。このかたなをとってくれー。すわれー。
 ヤメテくれ!あー、ほあ、たらった。モシモヤメなければ、ころすぞ!オーマイガー。

 ちょっと間があいてしまいました。今回は、ジミー・ウォング(Jimmy Wang Yu、王羽)主演のニンジャ映画をご紹介します。タイトルは「ニンジャファイター 機密ファイル奪回作戦」、英語ではThe Thundering Ninjaです。「キル・ビル」以来ジミー・ウォング再評価の機運が高まり(?)、Gyaoで「片腕カンフー対空飛ぶギロチン」が放送されたり、ビデオにもならなかった「片腕ドラゴン」がDVDになったりしましたが、この作品はまったく無視されてしまいました。まあ、無理もないところではあるんですが…。
 話は例によってヤクザ映画を無理やりニンジャ映画に仕立て上げたという代物です。もともとの話は主人公(ジミー先生)は義侠心に燃えるあまり悪党を殴り殺してしまい逮捕される、という話だったようですが、留置場で父と対面するシーンにいきなりニンジャ登場!「よし、後はまかしとけ」といきなりその辺の公園で安っぽいニンジャバトルがあって「完」。本当にあっけにとられました。
 では予告編をご覧ください。フィルマークの予告編についてはいろいろ言いたいこともあるのですが、それはまた今度。

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 燃えよニンジャ Enter the Ninjaは、ショー・コスギが有名になったきっかけになった作品です。この作品では主人公のニンジャはフランコ・ネロで、コスギは敵ニンジャ「ハセガワ」の役でした。
 主人公は白人ですがニンジャの免許皆伝を受けます。フィリピンの友人の農場を訪れた彼は、奥さんと不倫したりしながら(この辺の強引な展開がまるでレディコミです)農場立ち退きを迫る現地のやくざとのもめごとに巻き込まれていきます。やくざはなかなかことが進まないのにいらだち、日本からニンジャを雇って農場の人たちを襲います。この雇われるニンジャがショー・コスギです。彼は実は主人公の同門で、因縁の深い間柄でした。
 「ハセガワ」がたいまつ両手に奇声を発しながら暴れまわるシーンは、私が一番好きなシーンの一つです。が、残念ながらそのシーンは見つかりませんでした。ここでは、イントロのショー・コスギの演武を紹介します。さんざんいろいろ見せていたコスギが、突然現れた白ニンジャの飛び蹴り一発で倒されるシーンはまったく意味不明です。(だが、それがいいのだ!)

 Funniest Movie Death Scenes(映画でのあほな死に方集)というビデオを見ていたら、しっかり燃えよニンジャも出てきたのでおかしかったです。(40秒目ぐらいから)

 このシーンは外国で妙に人気があるらしく、Enter the ninjaで調べていたらいくつもビデオを見つけました。
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 忍者大戦 Ninja The Final Duel(中国語タイトルは忍者在中國というようですが、これで検索すると別の似たような映画が出てきます。事情はよく分かりません)は、私が一番好きなニンジャ映画です。フィルマークなんですが、いつものニコイチ映画ではなく、はじめからニンジャ映画として作られていますので、安心して見れます。
 話は、日本少林寺の雲之助という男が中国少林寺に使いに出されるのですが、ちょうど中国少林寺はニンジャ軍団に襲われている最中で、戦いに巻き込まれていく…といったところです。いや、話は取ってつけたようなものなんですが、何がいいといって、とにかくアクションシーンがはじめから最後まで連発で退屈しないのがいい。10分に一回は激しいワイヤーアクションが見れてとてもお得です。カリフォルニア少林寺の怪しい白人僧侶(この映画では、少林寺は世界のあちこちにあるもののようです)とか、ソウルフルな外見のインド大僧正(これインド人じゃなくてアメリカの黒人だろ)など、ニンジャ軍団以外の登場人物もいちいちいかしてます。全裸(!!)で戦うくノ一(日本語版ではモザイクがかかるのでおかしさが10倍です)がちょっと暴れた後、あっさり首を切られるシーン(首が落ちるシ描写つき)はひどいと思った。昔深夜テレビで見た「ミカドロイド」という映画で、「あまり意味もなく殺人ロボットに刀で切られてなぜか全裸で死ぬ女」の描写が一分ほどあったんですが、その人のことをちょっと思い出しました。
 以下は、なんとなく南方系の面構えのニンジャ軍団がトレーニングをするシーンです。音楽のせいもあってちょっとかっこいいです。水ぐもの画期的な使用法も見られます。

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 ハンテッド The Huntedは、敵のニンジャの首領がジョン・ローンだったり、岡田真澄が刑事役で出てきたり、割と豪華な映画です。アメリカから来たサラリーマンが日本に出張に来て、ミステリアスな女とねんごろになります。その後また女の部屋に行った主人公は、ちょうど女がニンジャに殺されているところを目撃し、それがきっかけでニンジャに付けねらわれる羽目になります。なぜかサムライに助けてもらった主人公は酔っ払いの刀鍛冶に剣術を教えてもらって敵を倒します。
 話はめちゃくちゃで退屈極まりないんですが、新幹線大虐殺シーン(主人公を殺すためだけに新幹線の乗客を端から全員切り殺していくニンジャ!しかも目的は達成できず!!)はよかったなあ。
 岡田真澄(刑事役)が「はっはっは、今の日本に忍者などいませんよ…うっ」と殺されるシーン。

 変な女が忍者と変な会話をするシーン。「かくごわ できている だろうな」「とっくの むかしに できてるわ」ちょっと長いのでかったるい人は飛ばしてください。会話は6分22秒あたり。しかし白人はこのシチュエーション(ミステリアスな日本女が裸で接待してくれる)好きだな。

 新幹線のシーンは見つけられませんでした。
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 Youtubeでニンジャ映画を探すコツは、英語で原題とか監督名、俳優名を入れて探すことです。"ninja movie"とかで探しても、大学生の自主制作映画みたいなのしか出てきません。(それはそれで面白いのですが。)意外とニンジャ映画でもちゃんと作ったやつのタイトルには"ninja"という言葉が入っていないのが多いのです。「ニンジャ刑事ダブルエッジ」はただ"Double Edge"、「カラテNINJAジムカタ」はただ"Gymkata"、「オクタゴン」は"Octagon"といった具合です。むしろフィルマークとかの「だまして借りさせる」のが目的のパチもんビデオのほうが「ニンジャ」を連発してます。
 「桜Ninja(Sakura Killers)」も、原題には"ninja"が入りません。"sakura ninja"とかで検索しても「ナルト」ばかりが引っかかることになるので注意が必要です。
 さて内容ですが、白人と黒人のバカ2名が、台湾で2週間修行をしてニンジャになり、悪のニンジャ組織「サクラ組」相手に戦って、あっさり勝っちゃいます。負けたボスは「ニンジャに失敗は許されない」とか言いつつ切腹します。とまあそんな話であまりにも頭が悪いんで世間での評判はよくないんですが、私はけっこう面白く見てしまいました。何ていうか、出てる人たちが楽しそうなんですね。
 映像は残念ながら予告編しか見つかりませんでした。銀色の般若面をかぶって走り回る2人組とか見たかったんですが。

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